- コネクタ
めっきの基礎知識
めっきは、コネクタの機能・性能において重要な役割を担っています。私たちの身の回りにおいても、様々な形で使用されています。
身近なようで詳しくはわかっていない、そんなめっきの目的、種類、材料などについて紹介します。
めっきとは
めっきとは、金属や非金属などの固体表面に、金属を成膜させる技術の総称です。
中でも、特に金属を溶液に溶かし、材料表面に電気化学的に抽出させる方法を、一般的に「めっき」といいます。
コネクタのコンタクト部分にも、めっき加工を施しています。コンタクト(端子)について、詳しくはこちら:コンタクト(端子)の話~コネクタの豆知識 vol.4~
めっきが使用されている身近なもの
- スマートフォン、PCなどの電子機器:プリント配線(銅めっき)、LSIパッケージ(金、ニッケル、はんだめっき)、チップ部品(スズめっき)、コネクタ(金、ニッケルなど)
- 自動車:車体各部、バンパー、ホイール、エンブレムなど各種パーツ(クロムめっきなど)
めっきの目的
装飾 | ・外観を美しくする |
---|---|
下地金属の保護 | より腐食に強い金属で守る |
機能付加 | ・表面を硬くする(硬質クロムめっき等) |
めっきの種類
電解めっき
外部から電子を供与して、陰極に金属が析出します。電解めっきでは、製品の導通性が必要で、不導体には電解めっきはできません。
京セラ製コネクタのめっきは、多くが電解めっきを使用しています。
無電解めっき
めっき液中の還元剤が電子を供与することで、金属が析出します。無電解めっきは浸漬するだけでめっきが付きますが、被めっき材質によっては、直接めっきできるものと、樹脂のように触媒をつけないとめっきできないものとがあります。
めっきの材料
- 合金にすれば下図以外の元素も析出可能
(例 Ni-P、Ni-B、Ni-W or Mo、Cd-Te、Cu-In-Ga-Seなど) - その他、非水溶系(有機溶剤、溶融塩など)を使用すれば、Mg、Alなどの金属もめっき可能
どうしてコネクタにめっきが必要なのか?
Cu(銅)系素材のコネクタに、他の金属の特性(耐腐食性、はんだ濡れ性など)を付加させるため。
コネクタに使用されるめっきの種類と役割
まとめ
コネクタの端子にめっきをする理由は、端子に機能を持たせるためです。
コネクタにおけるめっきの機能
Cu系素材に「Ni下地+Auめっき」もしくは「Ni下地+Sn系めっき」を使用することで、コネクタに求められる機能(はんだ濡れ性、耐食性、低接触抵抗、電気伝導性)全てを満たす端子にすることができます。
◆理解度確認クイズ◆
Q1. 京セラ製コネクタの多くに使用されるめっきの種類は、次のうちどれでしょう?
(1)電解めっき (2)置換めっき (3)溶融めっき
Q2. コネクタの端子にAu(金)めっきを行う目的は次のうちどれでしょう?
(1)表面を硬くする (2)光を反射させる (3)電気伝導性を付与する
- A1. (1)電解めっき
- A2. (3)電気伝導性を付与する
京セラ電子部品公式マスコットキャラクターえれたん
コネクタの豆知識 記事一覧
vol.10 基板対基板コネクタをもっと知ろう ~様々な特長~
vol.11 めっきの基礎知識
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