はじめに
コネクタは電気部品と機構部品の機能を併せ持った部品であることから、電気的性能や物理的性能など、様々な項目に関する評価を行っております。
そもそも、評価試験を行う目的は何でしょうか?
評価試験の目的
評価試験を行う目的は、コネクタの信頼性(保証度合い)を確認することです。
主に下記の関連規格に準拠しております。
規格名称 | 内容 |
---|---|
IEC規格 | 国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission、略称:IEC)が定めた規格。電気工学、電子工学、かつそれらに関連した技術に関して国際的に作成されており、その一部は国際標準化機構(ISO)と共同で開発されている。 |
JIS規格 | 日本産業規格(Japanese Industrial Standards、旧称:日本工業規格)。産業標準化法に基づいて制定される規格で、日本の国家規格の一つ。 |
左図の各構成部品の名称や用途などが気になった方はこちらをご覧ください
主要な試験項目と内容
機械的性能
評価目的:
各種評価を行った際の外観の異常有無や、嵌合離脱する荷重力、端子やフレキの保持力などの確認を行います。
評価内容:
- 外観
- 嵌合離脱力
- 端子保持力
- フレキ保持力 など
物理的性能
評価目的:
挿抜でのめっきやばねの劣化、振動/衝撃を加えた際の瞬断、はんだ付け性や高温はんだでのコネクタの変形などを確認します。
評価内容:
- 挿抜試験
- 振動/衝撃試験
- はんだ付け性
- はんだ耐熱性 など
●ワンポイント用語解説●
京セラ電子部品公式マスコットキャラクターえれたん えれたん紹介ページはこちら
瞬断とは?
電気や通信が、一瞬だけ途切れること。
電気的性能
評価目的:
規定の電圧を印加した際の絶縁破壊、隣接する極間及び大地との間の絶縁性、接触する接点の電気抵抗、定格電流を印加した際の発熱などを確認します。
評価内容:
- 耐電圧
- 接触抵抗
- 温度上昇 など
耐環境性能
評価目的:
各種ガス/塩水環境における腐食の影響、低温/高温/高温高湿環境下での接触信頼性、アンモニアによる応力腐食の影響などの確認を行います。
評価内容:
- 二酸化硫黄
- 塩水噴霧
- 高温加速
- 耐寒性 など
◆理解度確認クイズ◆
Q1. 評価試験を行う目的は?
①信頼性を確認するため ②価格の妥当性を調べるため ③リードタイムを決めるため
Q2. 主な試験項目はどんなものがあると思いますか?
①機械的性能 ②物理的性能 ③電気的性能 ④耐環境性能 ⑤すべて当てはまる
- A1. ①信頼性を確認するため
- A2. ⑤すべて当てはまる
京セラ電子部品公式マスコットキャラクターえれたん
コネクタの豆知識 記事一覧
vol.5 評価試験の話(基礎編)
vol.10 基板対基板コネクタをもっと知ろう ~様々な特長~
関連リンク