1. ホーム
  2. 製品情報
  3. 電子部品
  4. 技術紹介
  5. 今さら聞けない、発振器のJitterってなに?(前編)
  • タイミングデバイス

今さら聞けない、発振器のJitterってなに?(前編)

2502x_mv_pc_ff.png 2502x_mv_sp_ff.png

ICの評価や回路設計をする際に登場する発振器のJitterとは何かを解説していきます。​

LinkedinLinkedinLinkedin

Jitter(ジッタ)とは

水晶発振器で定義されるJitterとは、特定の周波数の理想的な波形と実際に観測される発振器の波形のずれを表しています。
その波形のずれを様々な方法で観測したのが、Jitter値になります。ジッタとは

Jitterの種類と測定

Jitterの種類

一口でJitterと言っても、Jitterには、いろいろな種類があります。
Period Jitter、Cycle to cycle Jitter、Phase Jitter、RMS Jitter、1σ (Sigma) Jitterなど様々な言葉が使われます。一般的には、Jitterと言った場合、Period JitterかPhase Jitterを指す場合が多いです。 これらの種類の違いは、Jitterを測定する方法によっても異なってきます。まずは、Jitterの測定方法/測定機器の違いを解説していきます。

Jitterの測定

測定器

領域

特徴

デメリット

Time Interval Analyzer
(TIA)

時間領域
(Time Domain)

  • ・入力信号の時間間隔を測定
  • ・閾値レベル(電圧レベル)との入力信号のクロッシングポイント間の時間を測定
  • ・測定結果に補完処理を行う場合もある

・一般的には、ゲートタイム(信号の取得時間)とゲートタイムの間に、未観測時間が発生する。
・立ち上がりが遅い信号(周波数が低い場合)等は値が悪くなる傾向がある。
・統計値の為、信号の取得時間の影響を受ける場合がある。

Digital Storage Oscilloscope
(DSO)

時間領域
(Time Domain)

・入力信号の時間間隔を測定
・デジタル信号処理された入力信号の波形データをメモリー内に保存し、解析処理(時間解析)を行う。
・スレッショルドレベルとの信号のクロッシングポイント間の時間を測定
・測定結果の補完処理を組み込む事も可能
・メモリ容量によっては未測定時間のない、連続したデータ取得、解析が可能

・オシロスコープの性能や測定器の設定に測定結果が左右される場合がある。
主な影響のある項目:電圧軸解像度、サンプリング速度、補間関数の設定、帯域
・測定設定によっては、ゲートタイム(信号の取得時間)とゲートタイムの間に、未観測時間が発生する
・統計値の為、信号の取得時間の影響を受ける場合がある。

Signal Source Analyzer
(SSA)

周波数領域
(Freq. Domain)

・Phase Noiseを測定し、帯域幅(一般的には、12kHz~20MHz)で積分処理し1sigma Jitterを算出する。
・時間信号を周波数へ変換する際Fast Fourier Transforms (FFT) を使用する。
・周波数軸上で処理を行う。
・積分処理を行うことにより時間軸の値へ変換する。

・平均化されたJitter値となる。
・測定時の環境の影響で値が異なる。(環境の影響を受け易い)


 

後編に続く