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コネクタ

自動組立対応コネクタの種類とそれぞれの特長

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産業用ロボットによる工程の自動化に対応した2種類のコネクタをご紹介します。1つは、フローティング機構により嵌合時の位置ずれを吸収する「基板対基板コネクタ」。もう1つは、FPC/FFCを挿すだけでロック可能な「ワンアクションロックタイプFPC/FFCコネクタ」です。

 

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フローティング基板対基板コネクタ

フローティング基板対基板コネクタの開発背景や特長、嵌合実演映像をご紹介します。

 

フローティング基板対基板コネクタの開発背景

昨今、自動車市場では電装化が加速しています。車載機器は、振動や温度変化などの厳しい条件でも正常に動作することが求められています。コネクタも同様で、振動下での高接触信頼性や、エンジンルーム周辺機器における高耐熱性が要求されています。

 

京セラ製フローティング基板対基板コネクタの特長

振動や熱に強いコネクタの実現に向け、高い接触信頼性が要求される車載・産業市場などにも適したフローティング基板対基板コネクタの開発を行いました。その3つの特長をご紹介します。

 

高耐熱対応

車載要求の最大温度である125℃の使用条件を満たしています。

※2023年9月時点の基準です

フローティング機構

従来品では、1枚の基板に複数個のコネクタを配置しもう1枚の基板を嵌合するのは、実装位置のずれによる誤差の影響により難しく、繰り返し嵌合を試みるうちにコネクタが破損してしまうトラブルが多発していました。 これを防止するために、コネクタの嵌合部が動く「フローティング機構」を導入。複数個実装を容易にするとともに、嵌合時のずれを吸収することが可能になりました。

さらに、産業用ロボットによる自動組立にも対応しています。これまで、基板と基板の嵌合は手作業がメインで、組み立てた製品の品質が安定しにくい点が課題となっていました。さらに、労働人口の減少による人手不足は今後ますます加速する見込みで、工場の稼働時間が制限されることも懸念されます。組み立て作業の自動化は、これらの課題解決にも期待できます。

こちらの動画では、産業用ロボットの自動組立による、同一基板上で複数個のフローティング基板対基板コネクタを嵌合する実際の様子をご覧いただけます。

 

京セラのフローティングコネクタ 自動嵌合実演

 

高さ・極数バリエーションに対応

お客様の仕様や条件にマッチした高さ・極数を選ぶことが可能です。自動車や医療機器など、高い接触信頼性を要求される機器に適しており、基板実装のずれや振動を吸収します。下記の豊富なバリエーションから、用途に合わせたものをお選びください。

 基板間の高さ:3.5~8、14~30mm
 極数:10~180極

フローティング機構付き基板対基板コネクタ 製品検索ページ

 

フローティング基板対基板コネクタの用途

車載や一般産業機器に適した接触信頼性の高い製品です。

  • 車載機器の例:自動車の走行・安全機器やインフォテインメント、CASEの主要なアプリケーション(センシングカメラ、ビューカメラ、LiDAR、インバータ、IVI、ECU/DCU)
  • 一般産業機器の例:FA機器、ロボットなど
FloXYロゴ

フローティング基板対基板コネクタの製品ブランド

FloXY®(フロクシー)とは、京セラフローティング機構付き基板対基板コネクタシリーズの製品ブランドです。基板の実装ずれや嵌合時の位置ずれ(オフセット)を、X、Y方向に可動することにより、車載・産機市場で求められる高い信頼性を実現した製品群です。また、16Gbps以上の高速伝送規格対応タイプは「HS」を付加します。

「FloXY」は、京セラ株式会社の登録商標です。

 

フローティング構造と製品ラインアップをご紹介

製品仕様

シリーズ

5655シリーズ


5655シリーズ

5652シリーズ


5652シリーズ

フローティング

XY±0.5mm

XY±0.85mm

極間隔(ピッチ)

0.5mm

0.5mm

極数

10~80

10~180

基板間高さ

4~7mm

14~30mm

定格電流

DC 0.7A/Contact
DC 3A/Power pin

DC 0.6A/Contact
DC 3A/Power pin

定格電圧

DC 50V/Contact

DC 50V/Contact

使用温度範囲

-40℃~+125℃

-40℃~+125℃

高速伝送規格

MIPI D-PHY

PCIe Gen.1~Gen.4
MIPI D/C-PHY
SATA3.0
USB3.1 Gen.1

製品カタログ

PDF/2MB

PDF/1.4MB

 

コネクタに関するお問い合わせはこちら

 

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ワンアクションロックタイプFPC/FFCコネクタ

ワンアクションロックタイプFPC/FFCコネクタの開発背景や特長、実演映像をご紹介します。

 

ワンアクションロックタイプFPC/FFCコネクタの開発背景

昨今、製造現場では産業用ロボットによる工程の自動化が進んでいます。これまでのロック付きFPC/FFCコネクタは、FPC/FFC挿入後にロック操作を行う必要があり、作業員による組み立て作業が一般的でした。そこで、作業性向上の観点から、産業用ロボットによる自動挿入に対応したワンアクションタイプのロック付きFPC/FFCコネクタ(6817シリーズ)を開発しました。

 

京セラ製ワンアクションロックタイプFPC/FFCコネクタの特長

手作業から自動化へ移行し、良好な作業性を目指すため、1つの動作(ワンアクション)だけで自動ロックがかかるFPC/FFCコネクタの開発を実現しました。3つの特長をご紹介します。

 

片手で挿抜可能なワンアクションロックタイプ

ワンアクションロックタイプFPC/FFCコネクタ(6817シリーズ)は、FPC/FFC挿入時に自動でロックがかかります。FPC/FFC抜去時は、独自の機構によりアクチュエーターを開いた状態でロック解除状態が保持され、片手で挿抜作業が可能です。挿入/抜去作業が容易な構造で、メンテナンス性に優れています。

また、嵌合不具合を自動光学検査装置(AOI=Automated Optical Inspection)で確認できる構造のため、検査の自動化にも対応。

こちらの動画では、産業用ロボットを使ってワンアクションロックタイプFPC/FFCコネクタにFPCを自動挿入し、ずれや嵌合不具合が生じていないかAOIで確認する様子をご覧いただけます。

 

京セラのFPC/FFCコネクタ(6817シリーズ)自動挿入実演

2種類をラインアップ

ワンアクションロックタイプFPC/FFCコネクタ(6817シリーズ)では、設計に合わせて選べる「ストレート(ST)タイプ」と「ライトアングル(RA)タイプ」の2種類をご用意しました。

【ストレート(ST)タイプ】
基板と垂直に嵌合します。基板上の専有面積が小さいなど、面積が制限される場所に配置してもケーブルを遮りにくい点がメリットです。

 

6817シリーズ STタイプ 挿入/抜去方法

STタイプのコネクタに、手作業でFPCを挿入/抜去する様子の動画です。

 

【ライトアングル(RA)タイプ】
基板と平行に嵌合します。ストレートタイプよりも高さが出にくいため、高さが制限される場所や基板の端に配置してケーブルを接続するのに適しています。

 

6817シリーズ RAタイプ 挿入/抜去方法

RAタイプのコネクタに、手作業でFPCを挿入/抜去する様子の動画です。

 

高速伝送対応

インピーダンスコントロールに配慮した製品設計で、10Gbpsクラスの高速伝送にも対応しています。

 

ワンアクションロックタイプFPC/FFCコネクタの用途

主に一般産業機器や民生機器に適しています。

  • 一般産業機器の例:FA機器、ロボットなど
  • 民生機器の例:家電、OA機器、PCなど

ワンアクションロックタイプFPC/FFCコネクタの製品仕様

ワンアクション操作が可能でありながら、コンパクトな設計です 6817

V-by-Oneは、ザインエレクトロニクス株式会社の登録商標です。

シリーズ

6817シリーズ     カタログ (PDF/632KB)

対応極数

10~50極

適応FPC/FFC厚

0.3±0.03mm (信号部)
0.5±0.03mm (グランド部)

極間隔(ピッチ)

0.5mm

定格電流

DC 0.5A

基板上高さ

ストレートタイプ:5.32mm
ライトアングルタイプ:2.6mm

定格電圧

DC 50V

実装部奥行き

ストレートタイプ:3.0mm
ライトアングルタイプ:5.9mm

材料

銅合金/耐熱樹脂

ロック方式

Non-ZIF/
ワンアクションタイプ

使用温度範囲

-40℃~+85℃

接点位置

ストレートタイプ:片面接点
ライトアングルタイプ:下接点

耐電圧

AC 200Vrms、1min.