フローティングコネクタとは
フローティング (Floating) とは、浮かぶという意味です。フローティングコネクタは、右図の緑に色付けした部分のインシュレータが、浮かんでいるような構造をしています。一般的なリジッド(可動域を持たない)コネクタは基板への搭載位置がずれると嵌合ができませんが、フローティングコネクタはその位置がずれていても、ずれている位置までインシュレータ(緑部分)が可動し、正常の位置にて嵌合することが可能です。そのため、基板にコネクタを実装する際に生じるズレや基板と筐体間の取り付けズレを吸収することができます。
使用するメリット
- 同一基板上でコネクタを複数個使用することが可能です。
- レイアウト・回路設計の自由度が向上します。
- はんだ接合部へのストレスを軽減し、はんだクラックを抑制します。
京セラのフローティングコネクタは最大F/P※1=200%の可動を可能とし、高い接触信頼性でお客様の設計時のお悩みを解決します。
※1F/P・・・F= Floating(フローティング量)/P=Pitch(ピッチ)
フローティングコネクタの構造
コンタクトのばね部が伸び縮みし、緑のインシュレータの可動部が追従します。X、Y方向またθ方向にも可動します。
| 側面から(Y方向に可動) | 上面から(X、Y方向へ斜めに可動) | |
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製品ラインアップ:京セラのフローティングコネクタ
| シリーズ | 極間隔(ピッチ) | フローティング量 | 基板間高さ | 極数 | 接続形態 |
|---|---|---|---|---|---|
| 8152 | 0.4mm | ±0.4mm | 3.5mm | 20~40 | ST-ST |
| 5655 | 0.5mm | ±0.5mm | 4.0, 5.0, 6.0, 7.0mm | 20~80 | ST-ST |
| 5631 | 0.5mm | ±0.5mm | 10.0~14.0mm | 20~180 | ST-ST |
| 5652 | 0.5mm | ±0.85mm | 15.0~20.0mm | 20~100 | ST-ST |
| 5656 | 0.5mm | ±1.0mm | 17.0~20.0mm | 40~60 | ST-ST/ST-RA |
| 5689 | 0.635mm | ±0.5mm | 8.0mm | 40 | ST-ST |
ブランドのご紹介
FloXY®(フロクシー)とは フローティング機構付き基板対基板(Board to Board)コネクタシリーズの製品ブランドです。基板の実装ずれや嵌合時の位置ずれ(オフセット)をX,Y方向に可動して吸収することにより、車載・産機市場で求められる高い信頼性を実現した製品群。
16Gbps以上の高速伝送規格対応タイプは「HS」を付加します。
※「FloXY」は、京セラ株式会社の登録商標です。



