使用環境温度

積層セラミックチップコンデンサ使用上の注意事項
設計上の確認事項
耐候性要因における確認事項
使用環境温度

コンデンサには、カテゴリ上限温度(最高使用温度)が設定されています。使用温度以上の定格温度品を選定する必要があります。また、機器内の温度分布及び季節的な温度変動要因も考慮する必要があります。

定格温度範囲を超えた場合に起きる問題

カテゴリ上限温度を超えて使用した場合は、コンデンサの絶縁抵抗が低下し、急激な電流増加及び短絡が発生する場合があります。

  • ・温度上昇の要因
    1. (1) 周囲温度
      1. ① セット外の温度が上昇する(高い)とき。
      2. ② セット内の熱が蓄積し、温度が上昇する(高い)とき。
      3. ③ コンデンサの近くに発熱体(パワートランジスタ、正特性サーミスタ、セメント抵抗など)があり、
        その発熱体によってコンデンサが放射熱を受けるとき 。
      4. ④ プリント配線板のパターンなどから端子を通じて外部熱を熱伝導で受けるとき。

コンデンサの自己発熱による問題

コンデンサの表面温度は,自己発熱分を含み,カテゴリ上限温度(最高使用温度)以下にする必要があります。
詳しくは 「印加電圧の種類及び自己発熱温度」参照。

  • ・自己発熱
    1. (1)リプル電流(交流成分)によってコンデンサの等価直列抵抗分で発熱するとき。コンデンサには、損失があるので、
      交流電流を流すと等価直列抵抗によって自己発熱する。特に、高周波回路ではご注意ください。
    2. (2)急激充放電によって,コンデンサの等価直列抵抗分で発熱するとき。
    3. (3)過電圧の印加などの定格使用範囲を超えて使用されたとき。自己発熱する回路に使用される場合は、
      コンデンサの表面の温度上昇が 20°C以下であることを確認し、更に表面温度がカテゴリ上限温度以下になるようにしてください。
      詳しくは 「印加電圧の種類及び自己発熱温度」参照。

高い信頼性品質が要求される機器にご使用になる場合は、事前にご相談ください。

医療機器、宇宙用機器、あるいは原子力関係機器などは、一旦故障が発生した場合には、人命に直接影響したり、あるいは社会的に甚大な損失を与える場合があります。これらの機器に使用するコンデンサは、汎用コンデンサとは区別した高信頼性設計品が必要になります。

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