概要
KYOCERA AVX Components(Salzburg)は、電子制御されたパワーモジュールのカスタム仕様に特化し、30年以上の間、電動ウォーターポンプの制御システムの開発・生産を専門としてきました。
KYOCERA AVX Components(Salzburg)の制御システムは電動ウォーターポンプの心臓部ともいえる重要な部品で、車両の駆動源とは独立しており、冷却要求に合わせて回転速度を調整し、効率的かつ迅速に目的の動作温度に到達できます。
KYOCERA AVXの最新世代のコントローラが高効率と長寿命を提供
KYOCERA AVX Components(Salzburg)の電動ウォーターポンプは過去、複数の世代の製品向けに最適化されており、最新世代は、95%以上の高効率を達成しています。
これにより、車両の電動航続距離は伸び、燃料消費量は減少しています。ハードウェアとしての耐用時間も、8,000~30,000時間に達しています(温度負荷プロファイルによって変動する可能性があることをご承知おきください)。また、ほとんど無音で動作するためハイブリッド車や電気自動車、燃料電池自動車に適しています。
特に電気自動車や燃料電池自動車では、様々な部品の冷却に電動ウォーターポンプが使用されています。例えば、電気モータ、DC/DCコンバータ、バッテリーのほか、空調制御システムの1つとして車室内の空調にも使用されます。
KYOCERA AVXのシミュレーション技術を駆使したカスタム設計がシステムの統合に貢献
KYOCERA AVX Components(Salzburg)がお客様それぞれにカスタマイズしたコントロールシステムは、電気モータおよび、現状のスペースに対して、導入し統合することができます。
そのモジュールは、電動ウォーターポンプ制御に必要な要素を全て含んでいます。KYOCERA AVXのコントローラの設計は、電子部品や機械的に接続される部品を適切に選択しながら限られた組み込みスペースに適応でき、もちろんそれぞれのご使用用途にも適しています。
過去数世代モデルで培われたKYOCERA AVXのノウハウが、温度分布、機械応力シミュレーションを通して用いられます。また、特別に開発された素子の接触や接続技術は外部プラグに対し、機械的信頼性のみならず、最適化された接続に貢献しています。もちろん同時にコストアドバンテージも提供しています。
モジュール化した設計と実績のある部品のサプライチェーンが
設計の柔軟性と短い開発期間を実現
ハードウェアとソフトウェアのソリューションプラットフォーム化により、自動車業界における開発期間の短期化の加速に対応できます。
事実、初回プロトタイプを短期間で提供することが可能になり、量産につながる計画に沿った開発プロジェクトの遂行が可能になります。それらのプラットフォームは、自動車用途のみならず、他の産業用途等でも対応が可能です。
電力(30W~10kW)・搭載電圧(12V~810V)・コントロールシステムの通信に必要なPWM, LIN, CANを備えたコントロールユニットがその対象です。
プラットフォーム | |||||
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電圧 | 12V | 24V | 48V | 470V | 810V |
電源 | 20W~600W | 100W~1.2kW | 200W~7kW | 700W~7kW | 700W~10kW |
使用温度範囲 | -40℃~+150℃ | ||||
基板 | FR4-PCBまたは厚膜セラミック | ||||
耐用時間 | 8,000時間~30,000時間 | ||||
通信 | PWM、LIN、CAN |
昨今、組立て式部品の複雑化が進む中、サプライチェーンが非常に重要視されています。KYOCERA AVX Components (Salzburg) では、専門的なサプライヤのリスク管理に基づいた強固なネットワークを構築しています。
部品の割当が不足する時期であっても可能な限り納期を守ることができました。それは、部品サプライヤとの直接のやりとりとセカンドソース部品の両方が重要な役割を果たしたからです。
供給に対する柔軟性を可能な限り高めるために、より迅速に対応でき、市場の部品過不足の影響をできるだけ避けるために、製造メーカーに依存しないマイクロコントローラーのファームウエアを使う方針を取っています。
この特別なソフトウェアには、エラー処理、診断、オンボード診断(OBD)によるソフトウェアの読み込み、および非常に効率的な現場指向の制御アルゴリズムなどの機能が備わっています。さらに、機能安全やサイバーセキュリティをサポートするために、独自のリアルタイムオペレーティングシステムを開発しました。
プロジェクトのサステナビリティと利益性を高めるグローバルな生産拠点
KYOCERA AVXグループはグローバル企業として、ヨーロッパ (Salzburg, Timisoara) 、中国 (Suzhou) 、メキシコ (Juarez) 、インド (Manesar)といった様々な国に生産拠点を有しています。そして将来的には日本にもチームを置き、市場・顧客のフォローを行ってまいります。また、現地生産することで省エネに貢献するという利点もあります。
サステナビリティとそれに関連するカーボンフットプリント問題は、京セラのフィロソフィにおいても高い優先度を持ち、開発からサプライヤの選択、生産拠点の決定まですべてのプロジェクトにおいて考慮されています。それだけでなく、グローバルな生産拠点によってお客様にとっても物流面で大きなアドバンテージとなるでしょう。
確立された技術とプロセスにより、複雑な制御システムの成功が可能
自動車産業では、電子制御システムの統合が急速に進んでいます。そのため、自動車メーカーやサプライヤはシステム設計において、信頼性の向上と設置スペースの縮小という新たな課題に直面しています。
KYOCERA AVX Components (Salzburg)は、この分野における豊富な経験を活かし、開発能力・関連技術・生産能力が必要となるカスタムプロジェクトにも貢献してまいります。
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