印加電圧の種類及び自己発熱温度
交流電圧又はパルス電圧が連続印加され、コンデンサに大きな電流が流れるような使用条件かを確認する必要があります。
直流定格電圧品を交流電圧回路又はパルス電圧回路で使用する場合、交流電流又はパルス電流が流れるため、自己発熱を確認する必要があります。
一般のコンデンサは、直流用として設計されており、交流やパルス電圧の印加される回路では、電流の値が大きく、自己発熱によりショートする場合があります。
- (1) 種類2のコンデンサの表面温度上昇は20℃以下にする必要があります。
- (2) 種類1のコンデンサの場合は、誘電体材料により温度上昇値の限界が異なる場合がありますので、
詳細は弊社までお問い合わせください。
種類1、 及び種類2については、 「温度変化によるコンデンサの特性」或いは 「静電容量測定」参照。
定格電圧以下でも、非常に立ち上がりの早いパルス電圧や、高周波の交流電圧で使用する場合には、コンデンサの信頼性に影響のある場合があります。
定格電圧以下でも、コンデンサに交流電圧又はパルス電圧を印加すると、電流が流れて発熱します。
このコンデンサの発熱は、主に誘電体自身の損失又は電極と誘電体との接合部分で発生します。この発熱温度及びこのような発熱を生じる電流によって絶縁の劣化又は電極の損傷を誘発します。規定値以下の自己発熱になる電流ではコンデンサの劣化はほとんど発生しませんが、規定値を超えるような高い温度になる電流の場合には、上記の劣化が加速され、焼損の原因となる場合があります。
自己発熱温度はコンデンサの誘電体材料、静電容量、印加電圧、周波数、電圧波形などによって異なります。
また、表面温度は、コンデンサの形状、機器への取付方法、周囲温度などによる放熱の違いによって変わります。
特に、周囲温度が変化すると同じ電圧条件でもコンデンサ特性によって自己発熱量が変化するので、自己発熱温度の確認は室温(25℃)で行ってください。
コンデンサに印加できる電圧と周波数との関係は、一般には低い周波数域では尖頭電圧値で規制され、高い周波数域では自己発熱温度で規制されます。
下図参照
実際の使用回路条件は各種の電圧波形があり、すべての条件下でこのようなデータを準備するのは困難なため、個別に問い合わせるか又は実際の使用機器による自己発熱温度の確認をしてください。